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革のメンテナンス方法 -水濡れケア-

2022.06.29

革製品の愉しみのひとつが経年変化。共に過ごす時間が長ければ長いほど、愛着も深みも増していきます。

「お気に入りは毎日使いたい。」「たくさん使ってエイジングを愉しみたい。」そう思う一方、悩みの種になっているのが「水濡れ」です。種類や加工によって差はありますが、全般的に革は水には弱いもの。もちろん、雨の日は革製品を使わないのがベストですが、梅雨から夏にかけて急な雨に降られる機会の多いこの時期、想定外のことが起ることは想定内。今回は、そんな時に役に立つ水濡れケアを紹介します。

■水に濡れたらすぐに拭く

水に濡れたら、なるべく早くタオルや布で水気を拭き取ってください。慌てて強くこすったり叩いたりすると色落ちや傷につながるので、優しく押さえるように。シミになりそうなくらいに濡れてしまったという時の為に、吸水性の高いパイル生地のタオルハンカチを鞄に忍ばせておくのも◎タオルハンカチで包み込むようにして素早く水気を取り、少ししてから木綿の布で空拭きをすれば、応急処置の完了です。

■水染みができたら、水拭きで全体を馴染ませる

すぐに拭きとっても水染みができてしまった。そんな時には、完全に乾いてしまう前に水拭きをしてください。

水に濡らしたタオルや布を軽く絞り、全体を拭き上げます。水染みが馴染むように、優しく丁寧に。濡らしすぎると今度は革が傷んでしまうので、様子を見ながら少しずつ。タオルや布は革を傷めないような柔らかいものを使用し、水拭き後も余分な水分を吸い取る為に空拭きをしてください。

■乾かす

風通しの良い場所で陰干しをしてゆっくりと自然乾燥するのを待ちます。

速く乾かしたいからといってドライヤーによる乾燥は厳禁。ひび割れにつながる可能性があります。革は濡れると耐熱性が低下。水分が蒸発して乾燥する時に毛穴が縮み、脂分も減って硬くなります。急いで乾かしたいからといって日光に当てたりストーブの近くに置いたりなども✕。熱を使わずにゆっくりと自然乾燥させることが大切です。

■新聞紙やタオルを入れて形を整える

革は濡れている間は伸縮性が増します。置きっぱなしにしていびつな形にならないように、新聞紙やタオルを丸めて鞄に詰め、形を整えましょう。 これらの素材は水分を吸ってくれるので、型崩れ防止と自然乾燥の両方の効果を担ってくれます。

革以外にも、湿った内生地が革に色移りしたり、 濡れたままの金属によってサビたり変色したりする恐れが。細部までしっかり乾かすようにしてください。

■クリーム(オイル)メンテナンス

充分に乾かした後は、クリームなどでメンテナンスを。乾燥直後の革は脂分や水分が抜け、表面にカバーがされていないスッピン状態。クリームで潤いと栄養を与えましょう。

この時も強くこすることなく、優しく円を描くようにクリームを薄く広げて馴染ませることがポイントです。

クリームが浸透したら少し時間をおき、表面のワックスを乾いた清潔なクロスで軽く拭くと表面に光沢が出てきます。

■お出かけ前の防水スプレーで事前に準備

どうしても雨の日も革製品を使いたい場合は、事前に防水スプレーをかけておくのをオススメします。防水スプレーは、汚れ防止にも一役買ってくれるお役立ちアイテム。鞄全体を柔らかい布で拭いた後、ムラなく吹き付けます。そのまま自然乾燥させてから乾拭きを。吹き付けた直後では充分に防水効果を発揮できないことがあるので、お出かけ予定と使用鞄が決まっているなら前日には済ませてください。

(※防水スプレーの製品ごとに異なりますので、お使いの際には必ず販売店や製品の説明書きにてお確かめください。)

    一般的に水に弱いと言われる革製品。雨の季節にはどうしても使用を控えてしまいがちになってしまいますよね…。確かに、水分を吸うと繊維が硬くなり型崩れを起こしたりシミが残りやすくなったりしますが、早めにお手入れすることで幾分傷みは軽減できます。

    知っておけば安心の水濡れ応急処置方法。愛用品との楽しい時間をより長く過ごせるように、もしもの時に試していただけますと幸いです。

    通常のお手入れ方法は革のメンテナンス方法をご覧ください。

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