What is GLOVE LEATHER

「グローブレザー」その名のとおり、野球のグローブに使用する革を指します。激しい球速にも耐えられるほどの耐久性、しなやかな柔軟性、弾力性に優れているのがこの革の特徴です。

耐久性のポイントは鞣し工程にあります。通常のクローム鞣しは石灰を使用して脱毛を行い、その後石灰を取り除いてから染色工程に移りますが、グローブレザーの場合は石灰分を残して芯まで染料を浸透させずに仕上げる“半芯通し”を行います。

石灰分には革の密度を高める効果があり、染色行為は基本的に革にダメージを与えるのであえて石灰分を残し染料が入りにくいようにすることで、耐久性のある革に仕上げています。

さまざまな革で製品を作ってきたデザイナーが今回選んだ「グローブレザー」。柔らかくしなやかでありながらしっかりとしたハリと弾力も持ち合わせた個性的な革は、鞣し工程で石灰分を若干残している為最初は表面が白っぽく少しマットな仕上がりになっています。

オイルレザーのような艶としっとりとした手触りとは違う、さらっとした質感。少し物足りなく感じるかもしれませんが、そこはやはり天然皮革。使えば使うほど柔らかく色合いも濃く変化していきます。

写真右比較写真：左使用歴約5カ月(メンテナンスクリーム1回使用)　右：新品

それぞれ特徴のある革。その革をどのデザインに落とし込むか、デザイナーの悩むところです。

グローブレザーの特徴のひとつとして、比較的床面(革の裏面)の毛羽立ちが少ないところが上げられます。その為、内側に生地を裏張りせずに革だけを愉しめるような仕上げにすることが多いのだとか。

また鮮やかな色やスモーキーな色、ニュアンスカラーまで豊かなカラー展開で製品に彩を添えてくれるのも見逃せないポイントです。

でき上がった革の魅力をきちんと製品にして、お客様に届ける。デザインだけにこだわるのではなく、暮らしを支える道具としての役割もきちんと果たせるように、心地の良い製品とは何かを日々考えながら革と向き合います。

耐久性があり、しなやかさもある。シンプルなのにどこか印象に残る表情。それぞれ異なる特徴をバランスよく持ち合わせているからこそ、シンプルな形もちょっと個性を効かしたフォルムも「らしく」まとめてくれるグローブレザー。

激しい経年変化ではなく、じっくりゆっくり育つ革。自分では気づかない小さな変化を日々繰り返しながら、手に馴染み、肩に馴染んで自分だけのアイテムへと成長していきます。

こだわり抜いた製法とデザインが可能にした、汎用性の高さによる豊富なラインナップ。大切な誰かとおそろいにしたり、デザイン違いでお気に入りの色を集めたり、様々な楽しみ方であなただけの一点に育んでください。