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それぞれの新生活

2017.04.24

緑が芽吹き、舞い散る桜の花びらが川をうららかに染める春。フレッシュな陽気に誘われて、何かをスタートすることの多い季節です。身の回り半径5m以内にも、新生活を迎えた人がチラホラと。

今回のTOPICSでは、私の身近にいた、新生活を歩き出した4人のストーリーをお届けします。みなさんの周りにも、こんな人いませんか?
 
取材・文 担当スタッフ Y

■母として
起きては泣いて、食べては寝ていた我が子も、いよいよ幼稚園に入園することに。未知なる世界にはじめはくずっていた息子でしたが、数日経つと一変。お友だちと先生、好奇心湧き立つ遊びに目を輝かせ、園生活をのびのびと楽しんでいるようです。そんな変化に併せて、私にもひとつ新しい習慣ができました。幼稚園への送り迎えです。
お弁当を作りながら、子どもを起こし、お着替え、朝食…それと私自身もそれなりに身なりを整えて、「最低限これがあれば何とかなる!」というお財布、携帯を入れるお決まりの鞄を提げ、ワタワタと玄関を出ます。そんな朝の時間が嘘のように、園に着いた途端振り返る間も無くお友だちの元へ駆けていく我が子。家へ戻る一人の帰り道には、寝ぼけていたさっきまでの様子を先生に見せたいわなんて悪戯心と、楽しんでくれている安堵感の、2つの親心が入り混じります。
またここを二人で通るお迎えの帰り道には、その日あったたくさんの発見を教えてくれるんだろうな。同じ日の同じ道でも、歩調を合わせてゆっくり歩く4回目のこの道の景色が最近の一番のお気に入りです。
(写真:鞄…ECRA 2WAY POCHETTE)

■学生として
レッスンごとのテキスト、文具店で久々に選んだ大学ノート、赤ペンや定規なんかも入ったペンケース…鞄の中身を覗くと広がる学生時代以来の光景には、なんだか感慨深いものがあります。
限りある時間を有意義に使おうと、通うことにした習い事。何か将来や資格に直結するもの…というのも考えたのですが、思いきって純粋に自分が以前から興味があったフランス語のレッスンを受講することに決めました。覚えないといけない義務があるわけでもなく、負わなければならない責任があるわけでもなく、ただただ知的好奇心の赴くままに学習する…そんな「大人の勉強」って、こうも面白いとは。新しい発見でした。
習ったことを使って今度は旅行にでも行こうか。知りたいこと、ワクワクする計画がフツフツと湧いてきて、心なしか以前より前を向くことが多くなった今日この頃です。
(写真:鞄…VAPO TOTE/ペンケース…the craft factory FLAP PEN CASE/トップス…SHHH)

■新社会人として
就職を喜んだのも束の間、ドキドキの社会人デビューをしました。仕事内容はもちろんのこと、文章作成の常識、客先でのマナー、社内での暗黙の了解…初めてのこと尽くしでポカンと口を開けている内に様々なことが過ぎていきます。周りを見ながら追いつくように、せめて置いていかれないようにと、心ばかりが忙しなくソワソワする日々。
服装はおかしくないか?かと言ってダサいのも嫌だし。名刺は持った?必要な資料はこれ?出されたお茶はどうするのが正解? まだまだ理想の姿には程遠いけれど、いつかスマートに仕事をこなす自分を夢見て、今日もバタバタと駆け回る日々です。
(写真:鞄…FORTE WELLHOLD CASE/ジャケット…no brand/パンツ…UNIQLO/パンプス…Dixsept Dixsept)

■新米として
何か区切りがあるわけでもなく365日が巡っていくのですが、そんな私でも春は何か始めようか、という気分になります。
この暖かな季節を待ち侘びたかのように緑を生い茂らせ、優しい色彩で心和ませてくれる草花。引越しやインテリアの広告。職場に入ってきた新人さん…。自分は同じ場所にいたつもりでも、周りの環境はいつの間にか変化していくものです。
初々しくも頑張っているあの子や、なんだか清々しく感じる空気に誘われて、私も新米になったつもりで日々に向き合ってみようか。例えばそう、毎朝のウォーキングを習慣づけてみたり。なんてことを心に決める春のどかかな公園です。
(写真:鞄…ROUND BASKET/セーター…no brand/スカート…vintage/靴…CONVERSE)